7/28/2011

魔法をかけられた時間~もう一つの天の河の物語

ウエディング用のギフトクレド。

花嫁さんからご両親に向けての物語です。























魔法をかけられた時間 ~もうひとつの天の河の物語


天の河を挟んで互いを想った七夕のお話には、
もうひとつの伝説があったことをご存じですか?


数えきれないほどたくさんある星の中から、
互いに惹かれあうことになった織姫と彦星。


共に生きようと決めた二人は、
南の島の岬に降り立ち、
家族が増えたらもう一度ここで海を見ようと誓いました。


かわいい女の子と男の子を授かって、
みんなで海を眺める夢は、ほどなく叶うかのようでした。


ところが海に想いを馳せた二人を快く思わなかった天の神様が、


「想い合うその愛を試しながら生きるがよい」と言い放ち、


二人の間に天の河を呼び起こすと、
河を消し去る呪文を伝えることなく、
姿を消してしまったのです。


織姫は、さびしい気持ちをこらえて必死で子供たちを育てました。
彦星は、そばにいてあげられないもどかしさにこらえ懸命に働きました。


天の河を消し去る呪文は、
本当の気持ちを言葉にすることだったのに・・・。


気づくと、織姫も彦星も、自分の気持ちを抑え込んで生きることに、
なれっこになってしまいました。


側にいて欲しい。

側にいてあげたい。

二人はどちらも、その想いを言葉にしないまま、
月日がたちました。


織姫のもとで子供たちはすくすく大きくなりました。

摘みたての苺のような頬を持つ
愛らしい娘に成長した女の子は、

天の河の向こう岸を眺め、父に想いを馳せました。

父の役も必死でこなす母を助けたいとも思いました。

そこで、彦星の父と母の助けをかりながら、
天の河に小さな橋をかけました。

橋のおかげで、織姫と彦星は、
一緒の時間を楽しめるようになりました。

娘の健気な姿を眺めていた「時の神様」が、

天の神様の呪文をとくことはできないけれど・・・、と
呪文のとける日が訪れる、時の魔法をかけました。

すると・・しばらくして天の河は消え去り、
家族は再び一緒にいられるようになったのでした。


織姫と彦星が仲良く暮らす様子を眺めていると、
娘の前に、彦星に似た優しい人があらわれました。

「この人と一緒に生きよう」そう決めた瞬間に娘は、

天の神様が与えた試練の奥にあったメッセージに気がつきました。

それは・・・

いつでも、どんな時でも、

そばにいる時でも、そうでない時でも、 

相手を大切に思う気持ちを持ち続けなさい

ということでした。

娘がメッセージに気づいたご褒美として、天の神様は
織姫と彦星のたっての願い・・・
家族揃って海を見る夢を叶えてあげることにしました。


ずっと待ち続けていたからこそ、この瞬間が本当に愛おしい・・・
輝く海を前に、四人の誰もが口に出すことなく感じていました。

いままさに、新しく家族を作ろうとする娘は、
父と母のスタート地点で海を眺めながら、
魔法にかけられた時間をふりかえり、


遠くにいても自分を想っていてくれた父と、
命がけで産み育ててくれた母に感謝をしつつ、


いつの日か、もっとたくさんの家族とともに、
この輝く海を見ようと、心に誓うのでした。


天の河を消し去る愛を育んだ星
福島春果さん、それがあなたのご両親です。

2011年 7月16日
ひたむきなご両親へ愛に心を動かされて
冨永のむ子

ご結婚、おめでとうございます。























ギフトの場合は、お好きな写真をお入れしております。

また、表紙を思い出の布で誂えることもできます。
(素材などによりますが)

今回は、布もこちらでご用意したので、
フォトフレーム仕立てにいたしました。

お式の写真を入れる楽しみも味わっていただけると嬉しいです。

福島春果さん、どうぞお幸せに。

ありがとうございました☆

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