12/08/2009

ローマ帝国の流れをくむ、ブロンズのロザリオ。

地中に眠るポンペイの遺跡から

発掘されたロザリオのことをご存じですか?

ヴェスヴィオ火山の大噴火の、

神をも裁く烈火に耐え抜いた、奇跡のようなロザリオは、

いぶしたブロンズでできていて

にぶい光を放つ金の十字架と、

小さな楕円のカメオがついています。

薔薇色のシェルの台座の上に鎮座する

灰褐色の大理石に掘られたのはミューズ。

その意思のある横顔が、持つものに勇気を授けます。

ロザリオが生まれたのは、おそらく2000年以上前のこと。

ポンペイが栄華を極めた時代より、

はるかかなた昔でありました。

いにしえの神に祈りを捧げ、

儀式を司る神官のものであったとか、

一族のしきたりと名誉を守るために戦い抜いた若き英雄が、

片時も離さずに身につけていたとか、

性におおらかなその当時、

神のみもとで禁欲的に生きた修道女の証であったとか、

数多くの伝説とともに幾多ものお役目を果たし、

ロザリオは今もなお、人々に我が身をゆだねます。

ロザリオが語りかけてくるのは、正義とエレガンテ。

自らを解放するために最も重要なのは、

正しく、そして気高く生きること。

人生を真摯に、そして高貴に生きなさい。

さすればすべてはうまくいく。

温かく柔らかな、薄くれなひの光とともに、

ロザリオはそう語ります。

そんな語りごとは、聞くに及ばじと、

人生を斜めに生きる愚かな者たちに対しては、

時には大胆に、十字架に隠し持つ棘をかざすことすら厭わない。

エレガントなその風貌からは

およそかけ離れた豪胆さをも持ち合わせているのです。

ロザリオのそんな圧倒的なオーラに敬服し、

ロザリオを手にしたすべての者の心の中には、

遅かれ早かれ敬虔で高貴な意識が芽生え、

人生における自堕落でちっぽけなプライドを手放し、

襟を正して生きようという気持ちになるのです。

ローマ帝国の流れをくむ、ブロンズのロザリオ。

城戸景子さん、それはあなたです。

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