7/06/2011

人々を心の原点へと呼び戻す菩提樹














なぜか写真が縦になってしまっていますが・・・

本日アップするパーソナルクレド®の持ち主は

湯河原の温泉宿、旅館ふかざわの女将、深澤里奈子さん

 

人々を心の原点へと呼び戻す菩提樹

輝く翡翠を思わせる、

つやつやと美しい緑色をしたソラマメのお話です。

ソラマメが生まれた緑色のゆりかごは、

笑顔が絶えない、温かく居心地のよい場所でした。

たくさんの人が、その心地よさに惹かれてゆりかごの元へ集います。

思いやりに満ちた仲間に囲まれ、

大切に大切に守られて、ソラマメは素直にすくすくと育っていきました。

はじけるようなエネルギーに満ち溢れたソラマメは、

豊かな愛情に包まれて、とても幸せでした。

そこにいることが自分の運命だと思っていましたし、

ゆりかごに乗り込んだ仲間や、一期一会で訪れる人たちのために、

より快適な場所にしようと一生懸命でした。

ゆりかごのもとを訪れると、みんな笑顔になります。

不思議だったのは、自分の居場所に戻ってからも、

その笑顔がいつまでも続くこと。

魔法のような場所を作ることができて、ソラマメはとても幸せでした。

しだいに、ソラマメはもっともっと笑顔の人を増やしたいと思うようになりました。

ゆりかごに守られるのではなく、自分がゆりかごを守れるように、

そしてその魔法が外の世界へも広がっていくように・・・、

長い間心の奥に秘めていた想いを実現する時が来た。

ある時ソラマメは決意しました。

「勇気を持って一歩を踏み出そう」

ソラマメの体いっぱいに意志の力が漲ったとき・・、

パーンとはじける音がして、

ソラマメは天にむかって飛んでいきました。

ソラマメの周りを覆っていた、目に見えない枠が取り払われた瞬間でした。

外に飛び出し、大地に足がついたとたんに・・・、

天にむかってどこまでも広がる感じがしました。

大地に根を張っていく感じもありました。

気がつくと、ソラマメは、

豊かな緑色の葉をたたえた菩提樹の樹に姿を変えていました。

・・・・・

その菩提樹のまわりで、

小川はさらさらとせせらぎ、

小鳥は朗らかにさえずる。

満開の桜が、大地を薄紅色に埋め尽くす。

その様子はまるで、

傍に寄り添う人を楽しませようと、

我こそはとおもてなしを競うがごとく・・・。


菩提樹のもとに集う人はみな、

愛にあふれるエネルギーを受けとる。

笑顔を取り戻し、

迷いをぬぐい去り、真の自分を感じながら、

あらたな本気の一歩を踏み出す力が湧きあがる。

・・・

「真の自分は、人から与えられるものでなく、

自分の心の中にその源があるのです。

我が身に起きるすべてのことを、

豊かさに向かうギフトと感じて生きなさい」

・・

菩提樹は広い世界にそんなメッセージを発しながらも、

人々を温かく迎え、原点に還る場所として、

ゆりかごを守り、共にあり続けるのでした。

・・・・・

人々を心の原点へと呼び戻す菩提樹 

深澤里奈子さん それがあなたです。

2011年 0603日 共に原点へ向う喜びに満たされながら 冨永のむ子

~あとがき、













ソラマメが菩提樹として、

ゆりかごを守っていくようになってから、

気がついたことがありました。

それは・・

菩提樹が生み出している平安と、

祖母の時代に、ゆりかごが作りだしていた心の平安は、

形は違えど同じだったということ。

そのことに気がついた菩提樹は、

ゆりかごに生まれ、ゆりかごを守っていく自らの運命に、

ますます感謝して、祈りをささげながら日々を営むようになりました。

すると・・・

時は弥生、お釈迦様のお誕生日の日のことです。

菩提樹の前にお釈迦様が舞い降り、

その花から種を取り、大空へと放たれたのです。

お釈迦様が放たれたその種が降り立ったところには、

美しい柳の樹が生えてきました。

お釈迦様はその柳に「安寧」という名前を授けてくださいました。

吹く風にしなやかに揺れながらも、

必ず自らの芯に舞い戻り、

吹く風によって、より強い芯となる、

人々は、その佇まいを眺めるにつけ、

自らもしなやかな芯を持つ存在で

在り続けようという勇気をもらうのでした。

株式会社あんねいが、

たくさんの人々の心に、

しなやかな強さと、真の幸福を運んでいきますように。

6/21/2011

本日アップするパーソナルクレドは、
手芸家の羽方早桜子さんの物語

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魂ある手仕事を届けるタンポポのわた


から100年以上むかし

澄んだ空気によく映える小さくて優雅なお城に、

美しいお姫さまが暮らしていました。


心の奥底にとても勇敢で公平な魂が宿りながらも、

無邪気で愛らしいその姿に人々は目を奪われて


お姫さまは

ただただ愛され大切に扱われながら暮らしていました。


美しい姫には美しいものが似合うと、

貢ぎ物がひっきりなしに届けられます。


大切に扱われていることに感謝しつつも、

お姫さまは心の中で

とも心を通わせていないような気がしました。


美しい貢ぎ物を眺めて、

その美しさに心をらせつつも

それらの品々はそれぞれにふさわしい持ち主

いるのではないかという気持ちがありました。


時は戦乱の時代

お姫さまのお城にも敵が攻め寄せてきました。


誰もがその安否を案じたはずでしたけれども、

誰にとっても特別すぎたお姫さま、

お城の中にしか身の置き所はありませんでした。


そしてお姫さま自身も、

知らない世界へ飛び出す勇気を出せないまま

囚われの身となり、

その生涯を終えることになったのでした


しなやかに思うがままに生きること

叶わなかった無念さが、

お姫さまの中に残っていたのでしょうか。


天に向かう途中で、

長い長い時間、その魂は宙を漂っていました。

恐れを手放せば」未来はうまくいく。


長い時間が流れ、時が力を与えたのでしょうか、

再び、地上に舞い戻ることに決めたお姫さま

桜の中に舞い降りたのでした。


そうして最初の鶯が春を告げるころ

勇気を奮い蕾をき・・・、

お姫様は、

あたり一面を覆いつくすタンポポなりました





















タンポポのわたは変幻自在です。


春は草花に息吹をふきこむ朝もやに、


夏には涼を届ける涼風に


秋には落ち葉焚きの煙に、


冬には人々を包む温もりに。


特別な存在でありながら、

いつどんな時でも、周囲と一体になる

心地よさは特別のものでした。


生き生きしたわた毛のもとに、

たくさんの贈り物がやってきました。


太陽からは金の針


虹の橋からは七色の


雲からはふわふわの毛糸。


その様子をみて

自分が差しだせる贈り物

一生懸命考えるものもいました。


海はつややかな真珠を造りました。


大地は綿の実を育てました。


最後に残ったのは人間でした


も持ってないように感じていた人間

悩みに悩んだあげく、誇らしげに差し出したもの、

それは豊かな創造力でした。


それらのものが

まぎれもなく自分へのギフトだと感じたわた毛は


深い感謝を捧げ、瞳を閉じて祈りはじめます。


すると・・・どこからか手仕事の神様たちが集まって

仕事を始めたのです。


そこに流れるのは静かで透明な無心の時間・・・、


次々に魂のこもった作品の産声があがります


心が浮き立つ新しくも懐かしい刺繍


天使の赤ちゃんに似合いそうなふわふわの帽子


小人のおうちにぴったりの愛らしい布張りの小箱


お姫さまのしわざでしょうか


仕上がったそばからわた毛は、その品を本当に


必要とするのもとへます


受け取った人たちは、

そこにこめられたメッセージを思い思いに受け取り、


しなやかな勇気に満ち溢れて、

自らの毎日愛おしくそして前向きに過ごすのでした


魂のこもった手仕事を届けるタンポポわた


羽方早桜子さん それがあなたです


2011430日 その手仕事に魂をうばわれて 冨永のむ子